コンタクトレンズを購入する際は、自分の目に合った度数を正確に把握することが大切です。度数を間違えたり、誤った知識で購入したりすると、目の疲れや頭痛、視力低下などの原因になることがあります。
この記事では、コンタクトレンズの度数の調べ方や視力との違い、度数の選び方について解説します。目の健康を守り、コンタクトレンズを快適に使用するためにも、度数について正しい知識を身につけましょう。
1.コンタクトレンズの度数の基礎知識
まずは、コンタクトレンズの度数とは具体的に何を指す数値なのか、確認していきましょう。
コンタクトレンズの度数とは?
度数とは、視力を矯正するために必要な力を数字で表したものです。コンタクトレンズの場合、「−2.00D」のように(POWER / PWR / P / D / SPH)のいずれかの単位で表されます。
近視の場合、凹レンズ(マイナスレンズ)で矯正するので数字の前に「−(マイナス)」を、遠視は凸レンズ(プラスレンズ)を使用するため「+(プラス)」をつけます。度なしは±0で、数字が大きくなるほど度数が強いことを示します。
コンタクトレンズの度数の種類
コンタクトレンズの度数には、大きく4つの種類があります。
- 近視度数
- 遠視度数
- 乱視度数
- 加入度数
近視度数、遠視度数
遠くのものが見えにくい場合は近視、近くのものが見えにくい場合は遠視用のコンタクトレンズで矯正します。度数(POWER / PWR / P / D / SPH)は共通ですが、近視は「−(マイナス)」、遠視は「+(プラス)」で表記されます。
乱視度数
乱視用のコンタクトレンズには、近視・遠視の度数表記に加えて、円柱度数(CYL)、円柱軸(AXIS・AX)という値が必要になります。
加入度数
遠近両用コンタクトレンズには、加入度数(ADD)が「+(プラス)」で表記されます。加入度数とは近くを見る度数と、遠くを見る度数の差をいいます。
2.度数と視力の違いと関係性
自分の視力からコンタクトレンズの度数を計算できたら便利ですよね。視力を度数換算することは可能なのでしょうか?
視力との違い
そもそも視力とは「物の形態を識別できる力」とされています。視力検査でランドルト環(Cマーク)により測定します。
度数は、その視力を発揮するために必要なレンズの矯正力を数値化したものです。
裸眼視力が0.1と同じ方でも、目の形状などにより必要な近視度数は異なります。このように視力と度数が必ずしも一致するとは限らず、度数から視力を計算する、視力から度数を計算するということも難しいのです。
メガネの度数との違い
メガネの度数とコンタクトレンズの度数は一緒でいいだろうと思う方もいるかもしれません。しかし、メガネとコンタクトは目からの距離が異なるため、度数が異なる場合があります。
見え方が変わる可能性があるので、コンタクトレンズを購入する際は、必ず眼科を受診して自分に合った度数を処方してもらいましょう。
コンタクトレンズの度数の範囲
コンタクトレンズの度数は、近視で「−12.00D」、遠視で「+5.00D」までとしているメーカーが多いようです。メーカーによっては特注で範囲外の度数のコンタクトレンズを受け付けてくれるところもありますが、受注生産のため手元に届くまで時間がかかります。
3.コンタクトレンズの度数の選び方
コンタクトレンズの度数は自己判断せず、眼科を受診して医師に判断を仰ぎましょう。コンタクトレンズは高度管理医療機器です。正しく使用しないと、目のトラブルを引き起こす可能性があります。
今のコンタクトレンズが見えにくいと感じるなら、目のトラブルや眼病が進行しているのかもしれません。「視力が低下したんだろう」と安易に判断せず、眼科を受診してから度数を変更してください。
4.コンタクトレンズの度数の確認方法
コンタクトレンズの度数は、商品の外箱やブリスターケース(パッケージ)に(POWER / PWR / P / D / SPH)のいずれかの表記で記載されています。今の度数が分からないとき、眼科を受診するときは、事前に確認してメモを取っておきましょう。
5.まとめ
度数とは、視力を矯正するために必要な力を数字で表したもので、コンタクトレンズの場合、「-2.00D」のように表されます。近視の場合はマイナス、遠視はプラスを使用し、数字が大きくなるほど度数が強くなります。
同じ視力でも度数が異なる場合があるので、要注意。メガネとコンタクトレンズの度数も異なる場合があるため、眼科で正しい度数を処方してもらう必要があります。眼科を受診する際は、外箱やブリスターケースに記載されている度数表記(POWER / PWR / P / D / SPH)を確認しておきましょう。